漠然とした…

曖昧な…





愛のカタチ??












vague 〜4〜













―――2日後―――

ちゃんが「べげ」に来てから、2日が経った。
ちゃんはだいぶ仕事も覚えたみたいで、俺らにも、ちょっとずつ心を開いてくれるようになってきた。
俺らは俺らで、ちゃんを気にしながらもなんとか仕事をこなす術がだんだんわかってきて
千晴や店長と何度もぶつかったり、コップを割ってしまったりすることも少なくなり。
…そして、今日は。

「はぁ〜、とうとう今日じゃね、3人でご飯行くの!!」
「!!・・・あ、あぁ、そうやな。」
「何驚いとるんじゃあ?明人??」
「べ、別に・・・」
俺の思考を読んでるんかと思うくらい、タイミングよく千晴が声をかけるから、
変に対応に困ったじゃんか。くそ。
俺もまだまだ修行が足りんな、うん。

もちろん飯食いに行くのは仕事が終わってからで、仕事が終わるのは夜7時頃。
今はもうすぐ朝も終わる、10時。
つまり、待ちに待った夢のひとときまで、あと9時間。

・・・長い!!長すぎる!!!
約束をした日から今までの、2日も確かにすっごく長かったけど。
その2日より、これからの9時間の方が長いんちゃうかな??ってくらい
一分一秒がとてつもなく長く感じられる。
あー、早く、仕事終わらんかな。。

「のぉ、明人。
 もぅそのテーブル、5分は拭いとるよ??」
「え??」
「ボーっとしすぎじゃよ、さっきから。」
「大丈夫ですか??明人さん、もしかして体調とか、悪いんですか??」
「い、いや、大丈夫っ。ちょ、ちょっと、このテーブル、他のより汚れてる気がして。。
 念入りに、拭いとったんよ!うん、そう、念入りに!!」
「ホンマかぁ〜?明人ぉ〜♪」
心配そうに俺を見つめるちゃんの横で、千晴はイタズラっ子みたいにニヤニヤしながら
語尾に「♪」マークなんかつけて聞いてくる。

一昨日の仕事終わり辺りから、何故か千晴は俺に意地悪ばっかしてくる。訳を聞いても「別にぃ〜」って、
絶対教えてくれん。何か悪いことしたか?俺。
千晴は敵に回すとたぶん世界一恐ろしい奴やからなぁ。。…あぅ、今背筋、ゾクってなったぁ!!

「ホントに、大丈夫ですか??明人さん。。」
あ、また一人で思考の奥に入っとった。…傍から見たら、とても大丈夫な人には見えんわなぁ。。
ちゃん、本気で心配してくれてるやん;しんどかったら休んでてくださいね、とか
無理しないでください、とか
ニヤニヤしてる千晴の隣で一人あたふたあたふた。
・・・俺にはわかる。今の千晴の頭ン中は、
(あたふたしてるちゃんも、ぶちかわええっ!!)
一色や、どうせ。

さすがに本気で心配してくれてるちゃんに悪いから、
「ホンマに大丈夫やから!心配してくれてありがとうな」
って、ちゃんを安心させようとするも、
ちゃんはまだ心配顔。なんか、けなげで可愛い。。
はっ!!ダメダメ、もうちょっとで思考が千晴と一緒になってしまうトコやった。ヤバイやばい。

ちゃん、明人なんかほっといて、早ぉ準備しよ★もぅ開店時間やけぇ、急がんと!
 のぉ?明人ぉ♪」
「…わ、わかってる!コッチは、もぅ終わるっ!!
 千晴こそ、ちゃんと準備できてるんか??」
「とっくに★」
「・・・・・・・・」
くそぉ。。俺が何したんかはわからんけど、
怒った千晴には絶対かなわん。。。


「おい、開店準備、終わったのか??」
あまりに騒いでる俺らを見て、ずっと黙ってた店長が呆れながら聞く。
「はい★明人以外は、みぃんな終わりましたぁ♪」
「俺だって、もぅ終わるって!!」
「そうじゃ、店長。明人、ぶち仕事熱心じゃけぇ、褒めたってください♪
 いっこのテーブル拭くんに、5分もかけるくらい、べげの衛生面に気をつかってますけぇ♪」
「うるさいっ!!」
「あははっvv」
ちゃんまで。。」
「ははっ、ご、ごめんなさいっ。。あははっvv」
この2日でわかったことやけど。ちゃんは何故か俺と千晴のやり取りが好きなようだ。
ちゃん曰く、「仲良し」が楽しいらしいけど。。
これが、仲良しぃ??

カランカラン・・・
「あっ、いらっしゃいませ☆☆」
「どーもっ。ちゃん、今日も可愛いねぇ。あ、店長マスター、いつものね。」
そんな事をやっていると、いつの間にか開店時間は過ぎてしまっていたようで。
本日一人目のお客さんが来てしまった。
最近、開店時間が過ぎるとすぐにやってくるお客さんがかなり増えた。
前までは、開店時間を1時間くらい過ぎてやっと、お客さんが入る程度やったのに。
ちゃんって、ホンマにすごいんかも、あらためて。

「はいはい、最近毎日来てくれるじゃないか。こっちはありがたいけどもね。
 おい、お前ら、もぅ開店時間、過ぎちまったじゃないか。明人、早く机拭き、終わらせろよ。」
「もう終わりましたっ!!」
「明人ぉ〜、他のテーブルは5分かけて拭かなダメなくらいの汚れはなかったんかのぉ?」
「(ムカッ!)えぇ、他のテーブルはとっても綺麗でしたよ、不思議なことに!!」
「おいおい、客の前で喧嘩はないだろう。」
「ふふっ・・・あははっvv」


*****************************************************


「じゃ、今日は帰るわ。ちゃん、また明日!店長マスター、お疲れさんっ」
「おい、明日は「べげ」、休業日だぞ。また明後日、来てくれよ。」
「なんだ、もう21世紀だぞ?未だに週一休業してたら、天下なんてとれねーぞ!」
「俺は天下をとる事より週一の休みの方が大事なんだよ。」
「ははっvv私も、一週間に一回もお休みが無かったら、困っちゃいます;」
ちゃんがそう言うなら、週1どころじゃなく週5くらい休みにしたらどうだ??」
「それも困りますよぉっ!」
「ははっ、それもそうだな。
 よし、じゃあ、本当に帰るか。じゃあ、また明後日、か。
 じゃ、ちゃん、店長、その他の2人!お疲れさん!!」
「「その他の2人ぃっ??」」
「あははっvv ぁ、ありがとうございました☆また明後日、来てくださいね♪」

・・・そんなこんなで(略しすぎ?)、本日最後のお客さんも帰り、今日も「べげ」は営業終了。
やっと!!・・・やっっっっと!!!!
待っていた夢のひととき!!
ちゃんと!!・・・ついでに千晴と。
「べげ」関係無しに、ゆっくり喋れる時が来た★★
やばいっ!嬉しすぎるじゃんか、コレっ!!
待ちに待った時が、すぐ手の届く所にある瞬間!!
はぁー、テンション、かなり上がる。どうするよ、これ。

「明人さんっ、千晴さんっ、今日、お約束してた日ですよねっ☆
 私、すっごく楽しみにしてたんですvv」
「ホンマにっ??わしらも、ぶち楽しみにしとったよぉ♪のぉ、明人!」
「ぉ、おう!!ホンマ、すごい楽しみにしてた!!」
ホントに楽しみにしてたよ。本気で楽しみすぎたよ。楽しみで楽しみで
もぅ待ってる時間が長すぎて辛すぎて
正直、死んでしまうかと思ったよ。
…っと、これは心の声として、大事にとっておこう。
ここまで言っちゃうと、全部ホントの事すぎて、
必死さ、伝わりすぎちゃうから。ここは、フリだけでも、余裕見せとかないと。

・・・俺はこんなに必死やのに。。千晴はいっつもすごい、オトナな感じの余裕、タップリ見せてるし。
ちゃんの前でも、いつものペース崩さずに、普通に接してる。
俺なんか、「大丈夫ですか?」って、心配される程やのに。。
どっから、あんな余裕、出てくるんやろ。実は、内心すっごい必死やったりするんかな。
…ううん、もしホントに内心、すっごい必死やったとしても
見た目に、それを感じさせてないんやから。。そこが、千晴のすごい所、やねんな。
。。俺・・・千晴に、かなうんかな。。

「じゃぁ、仕事も終わったけぇ、そろそろ行くか!
 ちゃん、明人、行こぉ★店長、お疲れ様でぇ〜したぁっと♪」
「なんだ、3人で飯でも行くのか?俺も混ぜてくれよ。」
「だぁ〜めっ!!今日は3人で行くって約束じゃけぇ、店長はお休みっ!!」
「なんだよ、それ。お前らを雇ってやってるのは、俺だぞ??」
「職権乱用?!そんなの関係ナシ!!じゃけぇのぉ★
 のぉ、ちゃん♪♪」
「ぇ?!ぁ、はい、ぇっと、すいません、店長、今日は3人で、お約束してたので。。
 また今度、一緒にお食事、誘ってください♪」
「仕方ないなぁ。。ちゃんがそう言うなら、今日は諦めるか。
 その代わり、その台詞、社交辞令にならないように頼むよぉ〜??」
「はいっ^^それはモチロンですvvホントに、ごめんなさい。。」
「いいよいいよ、気にしないで。コイツらの俺の扱いなんていっつもこんなモンさ。。」
「はい、そこ、すねない!!」
「あはははっvv店長、すねないでくださいっっvv」

目の前の楽しそうな千晴と店長、それと。。ちゃん。
3人を見てて、なんかすごく。
すごく。

会話に入れもしない自分が

ちゃんの笑顔を、ただ見ている事しかできない自分が

情けなさすぎる、自分が


とんでもなく、嫌になった。



******************************************************



「「きゅ、休業っ?!?!」」
「お休み…ですか・・・??」
俺と千晴の行きつけの店の前で、俺たち3人は…絶句していた。
店の入り口には、「close」の看板。
扉には、「諸事情により、2日ほど休業致します。」の文字。

・・・休み、なんて。。ウソだろ??

「諸事情って。。なんじゃ??」
「もしかして、マスターさんがご病気とか…??」
「まさかぁっ。あれは病気するよぉな顔じゃなぃけぇ!!のぉ、明人。」
「ぁ、あぁ。。」
「くそぉ〜、きっとマスター、サボって旅行かなんか、行っとるんじゃよ!!
 どーする、ちゃん、明人。店変える??」

絶対に、ちゃんとの夢のひとときを、中止にはさせん!!けど。。
休業て。ぉぃ、休業て。
今更、店変えるってったって、今の時間帯、どこの店も混んでるやろし…
まさか「べげ」戻るわけにもいかんし。。
こんな寒い中、ちゃん歩かすわけにもいかんしなぁ。。
どーする、俺。どーするよっ?! ・・・って、なんかのCMみたいになっとるし;;

「今からじゃと。。のぉ。晩飯時じゃし…店、混んどるじゃろぅのぉ;;」
「やなぁ・・・。あ、ちゃん、大丈夫??寒くない??」
「私は大丈夫ですvあの、お2人は…??」
「わしらならへーきじゃよ、のぉ?」
「うん、俺らは大丈夫、気にせんでいいから♪」
「そうですか・・・??」
「そぉそぉ★
 ・・・それより、ほんまに、どぉする??明人、名案だしぃっ!!」
「いきなり言われてもっ;;」
名案、名案。。・・・なんて、そんなにスグ出てきたら、苦労せんじゃんかっ!!
ヤバぃぞ、この状況は。ちゃんも、大丈夫とは、言ってたけど…
この寒さで、寒くないわけ、ないじゃんねぇ。。
ちょっと、震えてる気がするんも…絶対気のせいじゃないやん、コレ。
早く暖めてあげないと!!
もっと、別の選択肢も、考えとくんやった。。俺のバカっ!!

「ぁ、あの・・・」
「ん??どぉしたん??…あ、やっぱ寒い??」
「ぃ、いえ、それは大丈夫ですv気にしないでくださいvv
 えっと、その、私が言おうとしたのは・・・」
「??」
「あの。。
 私の家で、良ければ・・・ぁ、この近く、なんです。えっと・・・
 そこで、良ければ、ご案内、します…けど。。////」
「「・・・え??」」

い、今、なんて・・????
家??イエ????


「ぁ、あの、えっと、やっぱ、家なんて…ダメですよね;;
 すいません、忘れてください////」
俯いて、もじもじしてるちゃん。やばい、これは、何か声、かけて。
んで、安心させたげないと、ダメやのに・・・!!!
俺の方が、アタマ真っ白で、もぅ、何も考えられへんのやけど・・・っ!!
余裕!!こぃ、余裕っっ!!!!
落ち着け俺っっ!!!!!!!!!


「っ全然、ダメじゃなぃっっ!!!」
…結局、俺から絞り出てきたんは、あまりにストレート過ぎる本心。
ただの叫び??;;;
唖然とする目の前の2人。やっちゃった??俺。

「…そ、そぉそぉ!!全然、ダメじゃなぃけぇ!!
 ってか、逆に、ぶちありがたいけぇ!!ほんまに、わしら、行ってええん??ちゃん家。」
「は、はいっ、それは、全然、大丈夫です////
 私、一人暮らしだし。。この近く、なので。。」
「ひ、一人暮らしっ?!?!」

いいんっ?!一人暮らしの、女の子の部屋に男2人が押しかけるって、いいんっ?!?!
ってか、いいんっっ??!!??!(壊)

千晴がフォローをしてくれた事には感謝しつつ、完全にパニックに陥る俺。
情けなさ過ぎるけど、これはしかたなくないかっ?!一人暮らし、やで?!?!




「なぁ、ほんまにいいん??ちゃん。」
ちゃんの家に向かいながら、だんだん落ち着いてきたアタマでいろいろ話を整理してみる。
気が付いたら、ちゃんの家に向かう事が決定してた訳やから…
家に向かって、歩き出してた訳やからっ;;
整理させて、マジで。

「はい、ホントに大丈夫ですよvv
 ぁ…もしかして、やっぱり嫌、でしたか??私の家なんて。。」
「そ、そんな訳ないやんっ!!めっちゃ嬉しいんやけど。。
 ほんまにいいんかなぁって、思って;;」
「・・・??」
ちゃん、明人、緊張しとるだけじゃけぇ、気にせんでええよ♪
 わしもぶちドキドキしとるけぇ★★」
ドキドキ??千晴、それでドキドキしとるん??
そんな余裕、見せてるくせに。。

「ぁ、そうじゃ、なんか、飲みもんとか、買ってく??」
ふと、通り過ぎたコンビニを顎で差しながら、千晴が立ち止まる。
「そうやなぁ。。ビールかなんか、買ってくか。
 あ、ちゃんって、まだ未成年やねんな??酒、飲まれへんか。。」
「私だったら気にしないでくださいvvジュースとか、飲んどきますから^^
 お2人で、飲んでくださってかまいませんよ☆☆」
「でも・・・」
「ええじゃん、明人♪ちゃんもこう言ってくれてる事じゃし★★
 ちょっとくらいなら、ええじゃろ♪♪買ってこぉやぁ♪♪」
ちゃんに許可を貰っただけで、もぅ嬉しそうにニコニコしとる千晴。
言い忘れてたけど、千晴はかなりの酒好きで。。
俺なんか、すぐ酔っ払って寝てまうってゆぅのに。

「しゃーないなぁ。。じゃ、ちょっと寄ってくか。。
 あんま買いすぎんなよ、千晴。お前だって酔わん訳じゃないんやからな!」
「わかってる♪♪」

・・・とかにこやかに返事をしておきながら、自動ドアが開いた瞬間、酒類が置いてあるコーナーへ直行。
ニコニコしながらどんどん缶やら瓶やらをカゴに放り入れていく。
もー、千晴のわかってるはあてにはしてないけども、これはないやろっ!!
ちゃんだってビックリしとるじゃん。

「おい、千晴、それは買いすぎってゆうんじゃ??」
「まだまぁだ♪こんなの、序の口じゃけぇ★★
 明人は買わんの??わし、自分の分しか買っとらんよ??あ、ちゃんはどれにする??」
コンビニの中は、完全に千晴の独壇場と化している。こんな俊敏に動き回る千晴は普段なかなか見れんぞ。。

「俺はどーせちょっとしか飲まれんし。。2、3本でいいやろ。」
「明人、2、3本じゃ、飲んだ内に入らんじゃろぉ〜。」
そういうと、千晴は俺のカゴに何本もの缶を入れていく。
だから、俺はそんなに飲めないんやってば!!
ちゃんはずっとずっとニコニコしながら
俺と千晴のやり取りを眺めてるし。
あぁ、これがちゃんのいう、「仲良し」なん??
俺な、ちゃん。今、千晴に「ビール攻め」ってゆぅ、イジメを受けてるねん。仲良くしてるんじゃ、ないからっ!!
なんかもう、俺、「仲良し」の定義が、わからんよぅになってきたんやけど。。


結局、俺と千晴は絶対2人で飲む量ではないくらいの、大量のアルコールを抱えて
ちゃんの家に向かう羽目になった。
そのアルコール缶まみれの袋の中に入っている、ちゃんのたった一本の缶ジュースが
他の缶にまみれる事無く、しっかりと存在感を放っている様子は
まるでちゃんそのものを表してるように思えた。
・・・って事は、俺と千晴は、その周りにまみれるアルコール達??????




「ここです、私の家////」
しばらく缶やら瓶やらをカチャカチャ言わせていると、ひとつのマンションの前で
ちゃんが立ち止まった。
「ここかぁ、ちゃんの生息地♪♪」
「生息地て・・・;;
 でも、なんか想像してたよりでっかいマンションやな。。一人暮らしって言うから、もうちょっとちっちゃい感じのをイメージしてた。」
一人暮らしにしては、やけに大きい。なんか高級感も漂っちゃってるし;;
中〜上流くらぃの家庭が、生涯の住処として買うマンションなイメージ??
もしかして・・・ちゃん、すごぃお金持ち。。とか??
お父さんが社長、とか??
ちゃん、社長令嬢?!


「私のお父さん、すごく心配性で。。
 私が一人暮らししたいって言ったら、すごく反対したんです;;
 頑張って説得したら、許してはくれたんですけど・・・。住むのはセキュリティーがしっかりしてる所じゃなきゃダメだって;;
 いろんな所を探して、ここが一番安心できるって、借りてくれたんです;;;」
「あぁ、そぉやったんか;;・・・一瞬、色んな想像してもぉた;;」
「いろんな想像??」
「あ、気にせんとって、コッチの話やから;;」
ちゃんくらぃかわいかったら、お父さんもそりゃ、心配性なるわなぁ;;
でも、いくら心配やからって、普通の家庭やったら娘の一人暮らしに、こんな高そうなマンション、借りれんやろ。。
まだ、社長令嬢説は、消えてないからなぁっ!!

「のぉ、早ぉ入ろぉよぉ。いつまでマンション見上げとくん??」
酒を目の前にした千晴はせっかちだ。いつもの30倍くらい。
とにかく早く飲みたくて仕方ない、みたいな。せっかくちゃんの部屋まで
入れてもらえるって言ってんのに、ムードないのぉ。。
・・・こんな所でムード出しても、しかたないんやけど;;

「そうですね、外は寒いですし。。ぁ、入り口はコッチです、どうぞ。」
「ありがと、ちゃん。」
マンションに負けないくらいの、立派な正面玄関は、なるほど、セキュリティーがしっかりしているみたいだった。
あの、部屋の番号押して、中にいる人に許可貰わんと、ドアが開かんってやつ。オートロック??
あれがしっかり採用されてあって。防犯カメラなんかも、俺が見つけただけでも3個はあった。
セキュリティ、すげぇ。。

「ココ、ぶちすごぃのぉ!!明るいし。。カメラいっぱいついとる!!
 これ、押してみたぃのぉ♪もしもぉ〜し♪♪♪」
「千晴、何はしゃぃどん;;」
「はははvvvじゃ、そろそろ上がりましょうか。」



2・・・3・・・・4・・・
エレベーターの数字のランプがゆっくり点滅しているのをぼんやりながめながら、3人で他愛もない話をして。
ずっと笑いが絶えなくて。
ちゃんは相変わらずずっとニコニコしてて。
幸せって、これだ。とか、
勝手に再認識してみたりもした。
幸せ、味わえるうちに味わっとかないとね。



「ココが私の部屋です/////
 ちょっと散らかってますけど。。気にしないでください;;」
「ええよ、そんなん、気にせんで♪たぶん、ってゆぅか絶対、わしらの部屋には敵わんけぇ;」
「はははvv そんな事ないですよっ」

ガチャ・・・

静かに、ずっしりと重そうな扉が開く。
中はしーんと静まり返っていて、無機質で、少し物悲しい感じもしたけど、
その部屋の主人が帰ってくると、まるで母親に巡り会えた迷子の子供のように、パッと、明るく華やいだ気がする。

「えっと…じゃぁ、どうぞ///////」
ちょっと顔を赤らめながら俺たちを招き入れる様子は、なんか
新婚ほやほやの新妻と初めて新居に入る瞬間みたいだ。
・・・って、想像飛躍しすぎか??俺;;
落ち着け落ち着け・・。
やっと、待ちに待った夢のひとときが来たどころか、
ちゃんの部屋にまで、入れてもらえてるんやから・・・っ!!
ココでまたパニックなってもぉたら、最悪じゃんねぇ、俺;;
お、落ち着け、落ち着けっ!!
千晴は千晴で、「おじゃましまぁーす♪」なんてウキウキに、
周りをキョロキョロ見回しながらどんどん進入していきよるし;;
あいつ、マジに、すごすぎるやろ・・・;;

部屋の中は、ちゃんの香りなんかな??
なんか、すごいイイ匂いが漂ってくる。
漂ってる・・・ってゆうか、もう、この部屋の匂いとして、染み付いちゃってる感じ??
どっちにしろ、もぅ、ものすごいイイ匂いって事だけは、自信を持って言えるな、うん。
千晴も、鼻くんくんさせて、ええ匂いじゃのぉ〜、みたいな顔しよるし。
アイツの頭ン中って、めっちゃわかりやすいけど、全っ然、わからんねんな。。
たぶん、俺の頭ン中は、千晴にとったら、手に取るようにわかるんやろけど;;
・・・俺、もぅ、絶対千晴に敵わんのかな。。ショック・・・。





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