漠然とした…

曖昧な…





愛のカタチ??












vague 〜2〜













「べげ」にあたらしくバイトで入った女の子…
ちゃん、だっけ。
千晴も俺も…店長も軽く。
その魅力に取り付かれてしまったみたいだ。
千晴は「全面戦争」なんて嬉しそうに話してたけど
正直、あんまり喜べる状態じゃないよな。。
それは、千晴もわかってる事なんだろうけど。


…なんて事を、千晴がちゃんにレジ打ち教えてる間、ずっと考えてた。
お陰で、いつもは5分で終わるテーブル拭きに、
20分もかけてしまった。
はぁ、まだやらなきゃイケナイ仕事、山ほどあるんだけどなぁ。。
千晴とちゃんの様子が気になって、何にも手につかない。
あー、またなんか楽しそうに喋ってるよ。
おいっ!千晴っ!!デレデレするなっっ!!!


「おい明人ぉ!!ちゃんが明人とも話したい言うとるけぇ、机拭きさっさと終わらして、
 挨拶せぇなぁ!!」
…っ??ビックリした。。
まさかちゃんから、話したいなんて言ってくれるとは。。
最初の挨拶するのは当たり前かもしれんけど、なんか嬉しいわぁ♪

「ち、ちょっと待っててなっ!!すぐ終わらすからっ!!」
「ぁ、はい//」
「おい明人ー、いつもじゃったらとっくに終わらしとぉ時間じゃろぉー??
 早ぉせなだめじゃろぉー」
「う、うるさいなぁっ!!ちょっと今日はいつもより丁寧に拭いてるんじゃぁ!!」
…千晴め、今日の朝待たせた仕返しやの。。くそぉ、千晴怒らせると怖いなぁ…

「じゃぁわし、今日の買い出し行って来るけぇ、ちょっと店頼むのぉ。
 あ、明人、ちゃんに悪い事したらダメじゃけぇのぉ!!」
…どーせそんな勇気ありませんよ。。
でも、千晴がいくら仕事の為やからって、俺とちゃんを2人っきりにしてくれるんは
ちょっと意外やったな。。

急いで残りのテーブルを拭いて、健気にずっと俺を待ってるちゃんの所に向かう。
「ゴメン、いっつもはもぅちょっと早く終わるんやけど…」
「いえ、大丈夫です^^
 私こそ、突然呼んでしまってゴメンなさい。。お仕事中なのに;;」
「ああ、そんなん全然大丈夫よ。ちゃんの方から呼んでくれて嬉しかったしww
 ありがとうなぁ^^」
「あ、あの、ご挨拶…とか、あと…お話も、してみたかったので…」
ちょっと俯きながら、恥ずかしそうに顔を赤く染めながら話すちゃんは、
やっぱりすげぇかわいくて。
さっきまでちゃんと普通に喋れてた千晴を軽く尊敬した。

「ぇ、ぇぇと…あの、なんて、呼べば、良いですか…??
 ぇと、私は、って、呼んで下さいww」
「あ、えっと、俺は明人って呼んで^^
 って…呼び捨てにしてええの??」
「はいww全然大丈夫ですよ^^」
…ビックリじゃん。俺、呼び捨てOKなん??
もしかして、千晴も俺と同じように
「呼び捨てOKですww」
とか、言われてるんやろか??
言われてるやろなぁ。初対面やのに、俺だけひいきする理由なんて
ちゃんにはどこにもないもん。
でも、嬉しい事には変わりないからな、ここは素直に喜んでおこう^^
でも…やっぱり千晴も呼び捨てしとったら、ちょっとヘコむかも…

「あ、そうや、…ちゃん、ちゃんって、今日終わったあと…とか、ヒマやったりする??」
「えーと…今日は、ちょっと…ゴメンなさい、友達と約束してるんです。
 あ、明後日とかは、どうですかっ??」
「そっかぁ、今日は無理か…あ、ゴメンな。じゃぁさ、明後日、どっか飯とか食べに…行かへん??
 あ、モチロン、千晴も一緒に、3人で…」
あー、きっと断られる…イキナリ誘うのは、やっぱまずかったかな??
ホントは、2人でって、言いたかったんやけど。。最初っから2人は、やっぱまずいよな。。

「ホントですかっ??行きたいですっ^^」
よ、予想外の反応。そこまで、乗り気になってくれるとは思わなかった。
ちょうどそこに、千晴が買い出しから帰ってきた。
くそぉ、もうちょっと2人っきりを味わっていたかったのに…

「あ、千晴さんっ!!あの、明後日、お仕事が終わったあと、みんなでどこか行こうって話、してたんですけど…
 千晴さん、大丈夫ですか??」
千晴が帰って来たとたん、笑顔やった顔、もっと明るくして、千晴のトコに走っていきよる。
まるで、飼い主に巡り会えた子犬みたいじゃん…
なんか、ちょっと寂しい、今。

「明後日っ??うん、全然大丈夫じゃよぉ^^
 ええのぉ、じゃぁちゃん歓迎パーティじゃのぉ!!どぅする??どこ行くっ??」
千晴もすげぇ嬉しそうやし。。おい、俺の事忘れるなよっ。
「いつものトコは??ちゃんに、紹介したいしっ」
すかさず、会話に入ってやった。頑張った、俺!
「そうじゃのぉ^^
 ちゃん、わしらがいっつも行ってる、ええ店あるんじゃけどのぉ、
 そんな綺麗な店じゃないけぇ、女の子は嫌がるかもしれんけど…行ってみん??」
「ホントですかっ??行ってみたいですっ!近くですか??」
「うん、ぶち近いよwwこっから、5分くらいじゃけぇ☆」
「そうなんですかっ??良いですねww なんか、楽しそうです^^」
「すっげぇ楽しいよー♪なぁ、千晴!そこの店長もちょっとマイペースやけど
 おもしろいしww」
「そぅそぅ!きっとちゃんにも楽しんでもらえると思うけぇ^^」


結構歓迎パーティの話は盛り上がれて、俺もちゃんとちょっと仲良くなれた気がする。
そんな話をしている間、ちゃんはずっと笑ってた。
すっごい楽しそうに。
なんかそれ見てたら、この笑顔を、ずっと、絶やしたくないなぁって、なんか思った。
この顔を、悲しませたらダメやなぁって。
…これって、俺がそんだけ本気になっちゃってるって、事なんかなぁ??

俺の力では、何にも出来ないかもしれんけど、
頑張って、ちゃんを、もっともっと、楽しませてあげられたらなぁって、ちょっと、思った。
これは千晴にも内緒やけど。


「…そういえば、店長、遅いですね。。」
あ、店長の事、すっかり忘れてた。
どうせなら、このまま、今日は帰ってきてくれなくてもええよ〜って、
ちょっとだけ思った(笑)
「そうやなぁ。たぶん、たばこ屋のおばちゃんに捉まってるんちゃうかな??
 おばちゃんも、店長も、話好きやから、あの2人が話し出すと、しばらくは終わらないから…」
「そうなんですか…もぅすぐ、開店時間、ですよね??」
「ホンマやなぁ。まぁ、大丈夫やろ^^
 どうせ、そんなにお客さん、入らないやろし;;」
「あ、ちゃん、もぅ一通り仕事、店長から教えてもらった??」
「ハイww今日、ちょっと早めに来て、教えてもらいました^^」
「じゃぁさ、わしらが、ちゃんの第一号のお客さんに、なってもええ??」
「え??」
「千晴、それいい考えやんっ!!開店時間まで、もうちょっとあるし…
 ダメ??ちゃん。」
「ええと…私は、良いですけど…
 うまくできるか…」
「ええんよ、うまく出来んくても^^
 練習も兼ねて、って事で☆」
「ホントですか??」
「うんww」
「ありがとうございますっ^^えっと、じゃ、じゃあ…よろしくお願いします//」


…って事で、俺らが、ちゃんの「べげ」第一号のお客さんになることになった。
千晴、良い事言うじゃん♪
「じゃぁ、わしら、店の外から入ってくる所から始めるけぇ…
 明人、外行こ!!」
「外から始めるんっ?!」
「ええじゃん、そっちの方が本格的で楽しそうじゃけぇ★」
「そうやなぁ、わかった、行こ!
 ちゃん、よろしくなぁ^^」
「は、はい…」

カラン…カラン…
千晴と一緒に外に出る。
「のぉ、ちゃん、ぶち緊張しとったのぉww」
「そうやなぁ。どーせ、千晴
 『緊張してるちゃんもぶちかわぇぇのぉ☆』
 …とか、言うんやろ??」
「さっすが明人☆でも、明人もおんなしじゃろ??」
「…さすが千晴。」
「よし、じゃぁ、入るかぁ!!
 あんまり遅いと、ちゃんが心配するけぇね。」


カラン…カラン…
「い、いらっしゃい、ませっ//
 な、何名様、で、しょうかっ??」
やっぱりすごい緊張してる、ちゃん…
声とか、震えてるじゃん。。
そんな中でも、教えられた通りに仕事をする姿が、なんか健気でかわいい。
「二名様じゃよぉ☆」
千晴はやっぱり楽しそうだし。。赤くなってるちゃん見て、テンションあがっとるじゃん;;

「こ、コチラにどうぞっ//」
案内されたテーブルに座って、メニューを取る。
って、勝手に注文して良いんかっ??一応俺ら、仕事中、やねんけど…
「じゃぁ、コーヒー2つで☆」
千晴は、勝手に決めてるし。。
今店長が帰ってきても、知らんからなぁ!

目の前で、ちゃんがコーヒーを淹れるのを見つめる。
微かに、手が震えてるのがわかる。すごい、緊張しぃなんやなぁ。
千晴は、相変わらず楽しそうにニコニコしながら見てる。
でも、内心はすごい心配してるんやろなぁ。千晴はそういうヤツやから…

「ど、どうぞ…」
淹れ終わったコーヒーを、俺らの前に置く。
手が震えて、カップ、カタカタいってるじゃん;;
そこがまた、かわいいんやけど。

「ありがとぅ、ぶちかわええ店員さん☆」
「え、えっと…えっと…」
ほれ、千晴がそういう事言うから、もうちゃんパニックじゃん。
顔なんか真っ赤だし、俯いちゃってるし…
「落ち着いて、ちゃん。大丈夫、今までは完璧やで^^」
「あ、ありがとう、ござい、ます…」
「うん、ぶち美味しいっ、ちゃんが淹れてくれたコーヒーっ!!
 さっすがちゃん★☆」
「ホ、ホントですかっ??」
「うん、ホント☆のぉ?明人^^」
「あぁ、すごい美味しい♪嬉しいわ、こんな美味しいコーヒーの
 最初のお客になれてww」
「わ、私も、嬉しいですっ、そんな風に、言ってもらえて…
 あの、ありがとう、ございます><」
「わしらこそありがと☆わしらを第一号にしてくれて☆」

カラン…カラン…
「あ、もうちょっとゆっくりしてたいけど…
 お客さん、来ちゃったな。。」
「よし、じゃ今日もぶち働くぞぉっ!!
 ちゃん、今の調子で、一日、頑張ってな^^」
「は、はい…頑張ります><」

急いでテーブルを片付けて、お客さんをテーブルに案内する。
結局、店長は開店時間には間に合わなかったみたいやな…
ちゃんは、さっきの練習で、ちょっとはリラックスできたみたい。
ちょっとは役に立てたみたいで、良かったww


ちゃんは、常連さんともなんとか打ち解けられたみたいで、
すぐに「べげ」の看板娘みたいになってた。
まぁ、あのかわいさやったら、当然やろな…^^;
店長は開店から1時間くらいしてから戻ってきて、
いつもより賑やかな店に、ちょっと驚いてたみたいやった。
これも、やっぱりちゃん効果やなぁ。
当の本人は、やっと緊張もほぐれてきたみたいで、だんだん自然な笑顔を出せるように
なってきてる。


はぁ…ホンマはライバル、あんまり増やしたくないんやけどなぁ。。
千晴だけで、充分や…;;




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