漠然とした…
曖昧な…
愛のカタチ??
vague 〜1〜
「明人ー、早くしんかいっ!!今日新しいバイトの子来る日じゃろっ??女の子や言いよるけぇ、
早ぉして挨拶行こ!!」
「わかってるよ!!もーちょっと待って、もぅ出来るからぁ!!」
「それさっきも言いよったよ?!せっかくこーやってわしがわざわざ迎えに来てあげてるんじゃからぁ、
もうホンマはよしてくれんとわし先行くよ??」
「もーちょっと!!もーちょっとだけ待って!!お願いっ、千晴さまっ!!」
「なんよ〜、準備に時間かけよってさぁー、お前は年頃の女の子かぁっ!!」
あー、もう。ホンマに何考えてるんじゃぁ?明人のヤツー。
今日は新しいバイトの女の子が来るってゆうのに。ぶち可愛い女の子やったら一回おごるくらいじゃ
済ませたらへんけぇなぁ。
はぁ、普段は温厚なわしも、こればっかりは怒るわぁ。
大体明人は時間にルーズ過ぎるんじゃぁ!!
「あー、マジゴメンっっ!!やっと出来たわぁ。千晴、行こ♪」
「行こ♪じゃないじゃろっ!!どんだけ待った思っとるんじゃぁー!!」
「だからそれはゴメンって!!な、はよ行かな挨拶出遅れてまうで??」
「誰のせいじゃと思っとるんじゃぁっ!!」
あーもうダメじゃ。こう、気分が。
新しいバイトの女の子に、爽やかスマイル振りまく元気残ってるかのぉ〜??
カラン…カラン…
「おはようございまぁす!!」
バイト先の喫茶店。
ドア開けたら、やっぱりちょっと遅かったみたいじゃ。
店長が退屈そぉ〜にカップ拭いてる。
「あぁ、おはよう。2人とも、遅いじゃないか。
今日は新しいバイトの子が来るって言ってなかったか??」
いきなりダメ出しじゃろー。もぉ、バイトのぶち可愛い女の子はどこ??
キョロキョロしてたら、わしの横で明人もなんかソワソワしよる。
なんだかんだ言って明人も期待しとるんじゃん。
「店長、そのバイトの子は??」
「あぁ、今着替えてるから、もぅ来る筈だ。」
「え??店長、ウチの店って女の子の制服とかあるんっ??」
「あるさ、一応。。今までお前らみたいなのばっかりで、女の子なんて雇わなかったからなぁ。」
ガチャ…
「あ、あの…」
店長が話し終わると同時に、ぶち申し訳なさそうな声が聞こえてきた。
「あ、ちゃん、こっちこっち!他のバイトのヤツら、紹介するよ」
「は、はい…」
その小さい声の方をワクワクしながら覗いてみる。
明人もさっきからソワソワ見よるし。
どんな子じゃろ〜??可愛い子じゃったら嬉しいのぉ〜♪
「あ、あの…店長、やっぱりコレ、恥ずかしい…です…//」
「おー、すごい可愛いじゃないか!すごい似合ってるよ。」
………え????
…思わず息を飲んでしまった。
ぶち可愛い
。
ってか、もぅ可愛いのレベルが違うじゃろ、コレ。
一瞬、天使かと思ってしもぉた。冗談とか、抜きで。
明人も、目が点になりよる。
長いフワっとした薄いブラウンの髪、真っ白な肌にほんのりピンクな頬。。
なんじゃぁ??コレ。。どっか夢の国あたりから抜け出してきよったんか??
世界中の可愛い子を全部集めてきて良いトコだけ取ったみたいじゃ。。
制服ゆうメイド?みたいな服もぶち似合てる。
もしかして、コレ夢じゃったりする??わし立ったまま寝とる??
思わずほっぺたつねっちゃった。ついでに明人のも。
「紹介しよう、新しいバイトのちゃん。
コッチが、明人と千晴。こんなんでも、一応先輩だから、なんかわからない事があったら
この2人に聞くと良い。」
「はい。。ょ、よろしくお願いします…」
メイド服のスカートの裾を気にしながら、ペコっとお辞儀するちゃん。
…それ、反則じゃろ。。。。
ほれ、明人も固まっとるじゃん、ほっぺたおさえながら。
可愛すぎなんよ。自分で意識しとる??
やっとの思いで挨拶を済ませ、通常業務に戻る。
…はずなんじゃけど、こんなの仕事になる訳ないじゃろっ!!
店長に仕事教えてもらってるちゃんの方ばっかチラチラ見てしまうけぇ、
水はこぼすわ明人とは思いっきりぶつかるわで散々じゃぁ。。
明人なんか、コップ一個割りよったけぇね??
本人はそんな事なんて一個も知らんと、ぶち真剣に店長の話聞きよるしね。
こんだけ見られたり周りで大騒ぎされたりで、よぉあんだけ真剣になれるのぉー。
真剣じゃから、気にならんのかぁ??
そんならすごい集中力じゃね。。ちゃん。。
「のぉ、明人。」
「…っん?!な、何??急に話しかけるから、ビックリした。。」
「違うじゃろっ!ちゃん見よったからボーっとしとったんじゃろ??」
「そぅゆうお前もさっきからチラチラ見てるやろ。仕事全然進んでないやん。」
「それはお前もじゃろぉ。ほれ、そっちのテーブルまだ拭いとらんじゃん。」
「今から拭こうと思ってたの!それよか、何よ??そんな事言う為に話しかけたんじゃないやろ??」
「あぁー、そうやったのぉ。じゃからの、ちゃんかわええなぁ思って。」
「…そうやな。。」
「やっぱり、お前もおんなし気持ちらしいのぉ。」
「あぁ、そうやな。やっぱりお前もかー。。」
「わし、譲らんよ??」
「俺だって!」
「…そう言うと思ったー。じゃぁ、全面戦争やね♪」
「なんでそんな嬉しそうやねん??」
「うーん、なんか明人って最強のライバルっぽいけぇね、張り合いがあるじゃん」
「最強ってなぁー。。まぁ、張り合いがある事は確かだけど。」
ほれ、見てみぃ。やっぱり明人もわしと同じじゃ。
そんなん、最初っからわかってた事じゃけどね♪
わし絶対譲らへんからね。ホンマ、最強のライバル登場じゃぁ。
頑張れ、わし♪♪
ちゃんは絶対わしのモンじゃからのぉ!!
「…ぁ、あの…」
「っへ?!な、なんじゃぁっ?!」
「あ、ゴメンなさいっ、ぇ、ええと…」
今度はわしがビックリする番じゃ。思いっきり考え事に浸ってもぉた;;情けない声出してもぉたし。。
目の前には、ぶち可愛い天使…じゃのぉて、ちゃんが
ちょっと俯きながらぶち恥ずかしそうに手モジモジさせて上目遣いでわしを見上げよる。
二度ビックリじゃぁ。まさかちゃんの方から喋りかけてくれるとは
思わんかったけぇの。
「ぁ、ゴメン、考え事しよった。。ん??何??何かわからへんトコでもあった??」
精一杯落ち着いてキメたつもりじゃったけど…どぅじゃろ??
わしのこのドキドキ伝わってしもてるかのぉ??
「ぇ、ぇーと…レジ打ちの練習してたら、ちょっとわかんなくなっちゃって。。
店長タバコ買いに行っちゃったから、聞けなくて…。
教えて頂けませんか??」
「あ、レジ打ちならわし得意じゃよ♪任せといて、えっと、どこがわからへんよぉになっちゃったん??」
「ありがとうございますっ。
えっと、ココなんですけど…このキー押したら、これが…」
…もぅ、内心ドキドキじゃよ。
テーブル拭いてる明人の視線ぶち感じたしのぉ;;
横ではちゃんが真剣にレジ打ちよるしね。
わしとの密着度、90%くらい。
もぅわし、必死。
いつもは間違えへん作業を、2回も間違えてしまったくらいじゃけぇね。。
なんか不安そうにわしを見つめるちゃんがまたぶち可愛くて、
もぅ不謹慎やけど抱きしめとぉなってもぉた;;
必死で我慢したけど。そんな事したら、嫌われるの目に見えとるけぇね。
明人にも後で殴られそうじゃしのぉ。。
それにしても店長、ええ時にタバコ買いに行ってくれたのぉ。
いつもはわしらに頼むくせにのぉ。
もしかして、店長もちゃんに良いところ見せたかったんじゃないんかぁ??
オイオイ、店長まで参戦する気なんじゃろか??一応店長独身じゃけどのぉ。。
ってか、あの可愛さ見せられたら、男なら誰だって参戦したくなるじゃろぉな。
あ、ちゃんって、彼氏とかおるんかのぉ??いそうじゃのぉ、可愛いもん。
あんな可愛い子が周りにおったら、わしやったら間違いなく手出しとるよ??
どうなんじゃろ。。やっぱりおるんかのぉ。。
おるじゃろぉのぉ。。。。
「ぁっ、わかりましたっ!!!だからコレがこぅなっちゃったんですねっ!!」
「へっ??あ、あ、そぉそぉ。じゃけぇ、これを押したら上手くいくんよ。」
「そっかぁ!!やっとわかりましたっ!ホントに、ありがとうございます。
ぁ、え、ええと…」
「あ、千晴でええよ♪わしちゃんって呼んで良い??」
「ぁ、じゃぁ千晴さん☆千晴さんのお陰ですっ♪ホントにありがとうございました♪
えと、で大丈夫ですよw」
そうやって、満面の笑みでわしをじっと見つめる事が、わしには誘ってるとしか
思えんのじゃけぇのぉ??(笑)
で大丈夫って…そんなん言いよったら、わしホンマに呼び捨てするよ??
ええの??彼氏でもなんでもないやつに名前呼び捨てにされて??
…そんなん、この笑顔の天使は気にもしないんじゃろぉのぉ。。
なんかわし、切ない。。
「じゃぁってホンマに呼び捨てしてもええ??」
…言ってもぉた。。わしバカじゃぁ。。
コレで嫌われてもぉたら、わし最悪じゃぁ。。。。
明人〜そん時はよろしくたのむけぇ。。
「はい☆良いですよww」
…え??
ちゃん、それホンマの本気で言っとる??
ホンマにわし、呼び捨てOKなん???
あとで、「なんか呼び捨てされたー、ウザいー」とか言ってたら
わし、本気で傷つくよ??
「…あの、えっと、もう一人の方…明人…さん??にも、
ご挨拶してきますvvホントに、ありがとうございました^^*」
え、わしもぅ終わり??そうじゃのぉ、やっぱりわしばっかりじゃなく
明人とも喋りたいじゃろのぉ。。わし寂しい。。
…ううん、そんな事ばっかり言っとったらダメじゃね!!明人とも挨拶せな!
明人までちゃんの事呼び捨てにしとったら。。わし、ちょっとショックかも。
でも、ちゃんの事やから、またさっきみたいに
「って呼んでくださいww」
とか言いよるんやろ??あの満面の笑顔で。
明人、可愛いからって絶対襲ったらダメやけぇのぉ!!我慢じゃぞぉっ!!
ちゃんのその笑顔は、誘ってるんじゃないんじゃけぇのぉっ!!
…なんかわし、バカみたいじゃぁ。。
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